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プレミアリーグ出場チームの現状~大津高校・平岡和徳総監督インタビュー

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2020年05月20日

プレミアリーグ出場チームの現状~大津高校・平岡和徳総監督インタビュー

新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、各種大会は中止・延期となっています。その中で、U-18年代最高峰の高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2020に出場するチームはどのような活動をしているのでしょうか。今回は大津高校の平岡和徳総監督に話を聞きました。
※このインタビューは5月14日(木)にウェブ会議システムを利用して行いました。

――熊本県は本日(5月14日)、緊急事態宣言が解除されました。大津高校サッカー部はこれまでどのような状況だったのでしょうか。

平岡 4月16日(木)に緊急事態宣言が全国に拡大され、熊本県の県立学校はすべて休校となりました。本校サッカー部は他県出身の生徒も多いのですが、みんな地元に帰って活動を自粛しています。勉強面はワークシートに加えて、リモート授業も進めているようです。教員が授業動画を共有サイトにアップして、それを見ながら進める感じですね。学校は6月1日(月)に本格再開となりますので、少しずつ寮に戻しながら活動をコントロールし、再開に向けた準備をしていきます。

――部員と連絡を取ったり、練習メニューを伝えたりといったことはしているのでしょうか。

平岡 山城朋大新監督の下、さまざまなツールを活用してトレーニングの課題や私のコメントなどを伝えています。部員は取り組み内容を記入したワークシートを撮影してデータとしてコーチ陣に送り、それをスタッフが共有しています。直接、触れ合うことはできませんが、心のつながりを維持しながら、ネガティブにならずに再開を待ち、また元気にサッカーに取り組むための準備を進めているところです。

――平常時の部活では気が付かなかった新たな発見はありますか?

平岡 日頃から「24時間を主体的にデザインしよう」ということをテーマにしていますが、送られてくるワークシートの内容を見ると、改めて「彼らは変化を求めながら、素晴らしいアスリートに進化し始めているな」というのがリアルに見えてきます。一人一人の置かれている環境は違いますが、それぞれが大津高校サッカー部を大事にしてくれて、自分を大切にしながら他者への思いやりを意識しながら行動してくれていることが確認できます。

――新入生と入学後に直接、会う機会はあったのでしょうか?

平岡 今年度、100名近い新入部員が入りました。大津高校で勤務するコーチ陣は会えたようですが、私は宇城市役所で勤務していますので、入学後はまだ会えていません。ただ、全員の顔写真は見ていますし、新入生のほとんどは昨年度、トレーニングに参加してくれた子ばかりです。非常に期待している学年なので、早く会いたいですね。

――2、3年生に伝えた心構えなどはありますか?

平岡 改めて本校のテーマである「24時間をデザインする」ことと、他者を思いやり、感謝する気持ち、『論語』にある「恕(じょ)」の心を持つこと。そして、笑顔を忘れないようにすること。笑顔は人間の力を引き出し、物事を好連鎖させていく、奇跡を起こしていく大きなエネルギーを持っています。この3つに、大津高校で培う諦めない心の才能を今こそしっかり伸ばしていこうという話をしました。

――残念ながらインターハイ(全国高等学校総合体育大会)は中止となってしまいました。

平岡 人間は目標を持たないと前に進めず、パワーが出ないところがあります。大きなイベントが一つずつなくなっていくことは、選手たちのモチベーション維持に難しさが出てくると思います。新型コロナウイルスは一朝一夕には収束できないものですし、感染リスクを抑えながら彼らがプレーできる場所をいかにつくってあげられるかを考えなければならないですね。彼らが動き出せば社会のパワーは上がりますし、今を変えながら選手たちの未来を変えていかなければならないなと改めて思っています。

――プレミアリーグの開幕時期も不明確な状況ですが、同大会に対する思いはいかがでしょうか。

平岡 昨年度は4位に入り、チームとしても個としても成長でき、その後のキャリアを伸ばすことができただけに、今回の中断、開幕まで見通しが立たないところは非常に残念に思います。特に3年生にとっては未来を変えていく大事な場所であるだけに、1日も早く開幕し、1試合でも多くできることを期待しています。

――U-18年代の大会再開を楽しみにされている全国のファンに向けて、メッセージをお願いします。

平岡 スポーツという文化は社会を元気にすると思っています。大津高校の選手たちは今、自分を大事にし、他者への思いやりを持って、自分の未来を覆うストレスをなんとか拭い去ろうとしています。今は関わってくださる方々を感動させるためのエネルギーを溜めている段階だと思っています。その意味ではこの時間は無駄ではないですし、サッカー、そしてプレミアリーグが再開された時に素晴らしいパフォーマンスを発揮できるように準備、育成をしていきますので、期待していただければと思います。

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