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【ピッチサイドストーリー】一番の思い出は、娘の笑顔~第28回全日本高等学校女子サッカー選手権・鎮西学院高校

2020年01月09日

【ピッチサイドストーリー】一番の思い出は、娘の笑顔~第28回全日本高等学校女子サッカー選手権・鎮西学院高校

第28回全日本高等学校女子サッカー選手権大会が1月3日(金)に開幕し、連日熱戦が繰り広げられている。ここではピッチサイドで試合を応援する方々にスポットライトを当て、ピッチ上に秘められたストーリーをお届けする。

2回戦 2020年1月4日(土)/三木総合防災公園第2陸上競技場
鎮西学院高校 0-0(前半0-0、後半0-0、PK2-4)大阪学芸高校

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「笑おう!」。大阪学芸高校(関西3/大阪)との2回戦を前にして、鎮西学院高校(九州3/長崎)の選手たちはそう声をかけ合いながらウォームアップをしていた。学年も関係なく、「笑おう!」と声をかけ合ってハイタッチしながら、緊張の一戦への準備を進めた。

結果から言えば、準々決勝には進めなかった。スコアレスで80分間を終えた後、PK戦で大阪学芸の勝ち上がりが決まったのだ。試合直後には、さすがに選手たちも涙を我慢できなかったが、競技場を出る頃には笑顔を取り戻していた。むしろ応援団の方が、まだ目頭を押さえていた。

競技場の外で最後の円陣が解けた後には、保護者の声かけで全員で写真を撮った。「はい、変顔~」。川原武監督も、その声に精いっぱいの変顔で応えていた。

最後は3年生と、その家族での写真撮影となった頃には涙はすっかり乾いていた。

「うちの娘は常に笑顔でサッカーをするんです。そこかなあ」。ボランチとして攻守に奮闘した宗塚天音の母、美佐子さんは3年間での一番の思い出について、そう語った。

週末の練習のために、宗塚を朝6時に学校まで送っていったこともある。父の克美さんは、もっと“アクティブ”だ。鹿児島遠征の時には、学校で仕事が残っている監督たちのかわりに、選手たちが乗るマイクロバスを運転した。鹿児島で監督とバトンタッチして、自分は日帰り。「もはやスタッフですよ」と笑う。そんなたくさんの思い出があるのに、一番心に残っているのは、娘の笑顔なのだという。

そんな宗塚も、涙を見せたことがある。2年生の時の九州大会開幕数日前、足を骨折してしまったのだ。「けがをしてしまったのが、やっぱり悔しかったみたいですね。でも、やめたいとか言ったことはないですね。悔しいのは、サッカーできないことだけ。やっぱり笑顔でサッカーするのが、一番ですから」と美佐子さん。応援団が頑張れる原動力はやはり家族の笑顔なのだ。

宗塚は高校で完全燃焼するつもりだったが、才能を認めたスタッフに勧められて、大学でもプレーするそうだ。「遠くの大学に行くので、全国大会くらいしか見にいってあげられないかもしれませんね」。サポートの日々が終わって少し寂しそうな美佐子さんだが、「でも、本人にはまだサッカーがありますからね」と、娘の羽ばたきを家族で応援するつもりだ。また、全国大会のピッチで娘の笑顔に再会できる日を楽しみに。

第28回全日本高等学校女子サッカー選手権大会

大会期間:2020年1月3日(金)~2020年1月12日(日)
大会会場:
三木総合防災公園(兵庫県三木市)、五色台運動公園(兵庫県洲本市)、いぶきの森球技場(兵庫県神戸市)、ノエビアスタジアム神戸(兵庫県神戸市)

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