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JFAエリートプログラム女子U-13 四日間の活動を終える

2016年09月06日

JFAエリートプログラム女子U-13 四日間の活動を終える

9月2日(金)からスタートしたJFAエリートプログラム女子U-13キャンプは四日間の活動を終え、選手23名は限られた時間のなかで多くのプログラムに取り組みました。

本格的な活動が始まったニ日目は午前、午後と二回のトレーニングを行ったほか、グループワークと大部トレセンコーチサブチーフからのレクチャーを受けました。レクチャーの中で「世界基準」というキーワードが出され、そこからオン・オフともに選手たちの意識も大きく変わっていくのが見受けられました。

続く3日目の午前は、東日本大震災で被災し、閉校となった石巻市立大川小学校を訪問しました。語り部の神山さんから震災時の状況や被災された方々についてのお話を聞き、震災当時のまま残された校舎を目の当たりにし、選手・スタッフそれぞれが、津波の恐ろしさや震災について、あらためて考える機会となりました。

その後、午後はベガルタ仙台U-13(男子)と対戦しました。30分×3本のトレーニングマッチを行い、0-8(0-1, 0-4 ,0-3)で敗れました。

最終日となった5日(月)は午前中にトレーニング。気温が上がるなか、選手は仲間たちと過ごす最後のピッチで、このキャンプでの成長を見せていました。トレーニング後は四日間を振り返る映像で活動を締めくくり、再会を誓い合いながら帰路につきました。

コーチングスタッフコメント

西村陽介 監督(JFAナショナルトレセンコーチ 北信越担当/医療法人雨宮病院)
JFAエリートプログラム女子U-13の1回目の活動となったキヤノンガールズキャンプでは「世界で闘える準備」をテーマとしましたが、今回は「世界基準をオンザピッチ・オフザピッチで示す」ことを目的としました。
オフザピッチでは、コミュニケーションスキルレクチャーで、問いかけに反応すること、単語を並べて話すのではなく具体的かつ論理的に話すことを指導され、翌日から反応や話し方に選手たちの工夫を感じることができました。栄養レクチャーでは、事前の食事調査を踏まえ、いつ・何を・どのくらい食べなければいけないのかをフィードバックいただきました。身体と向き合いながら食事を摂る重要性を感じ、食事を毎回残さずに食べる選手が多くなりました。また大部サブチーフのレクチャーでは、なでしこジャパンが要求する質のこだわり、各代表チームの現状、そしてU-13の選手に求めるものが提示されました。世界を見据え、「今」やらなければいけない事を明確にし、全力でやりきるというメッセージ示されました。
オンザピッチでは、「サッカー理解を高める」「試合で使えるテクニックの獲得」「効果的に攻守に関わる」がテーマでしたが、プレーの質・正確性・オフ時の準備(観る・観ておく・身体の向き)を、より高めていく必要があると感じました。ベガルタ仙台U-13男子チームとの試合では、テクニック・スピード・パワーがある相手との対戦で、何ができるのか、何が足りないのかを明確にすることができました。世界基準を考えたときに、力のあるチーム相手に適応できる個々の技術やサッカー理解、攻守で主導権が握れる活動量と効果的な関わりを、この年代で身に付けなければいけないと再確認しました。またそれを発信する必要性も強く感じました。
キャンプ開催にあたりご協力いただいた宮城県サッカー協会、松島フットボールセンタースタッフ、ベガルタ仙台ジュニアユースU-13、被災地の案内をしてくださった神山さん、また多くの方に心より感謝いたします。

井嶋正樹 GKコーチ(JFAナショナルトレセンコーチ/東海大熊本サッカー部)
被災地見学では語り部の神山さんに震災発生時の話を聞きながら大川小学校を見学しました。参加選手たちは、自分たちと同じ世代の子どもも被害にあったことを知り、それぞれに感じるものがあった様子でした。午後からのトレーニングマッチおいては、同世代の男子チーム相手ということもあり、日常経験している以上のハイプレッシャーの中で、このキャンプで積み上げてきたものを、個としてチームとして発揮することを目的に行いました。選手たちが積極的に取り組んでくれ、個々に明確な成果と課題を感じることが出来たと思います。この経験を大切にして、今後の活動につなげてもらいたいです。

選手コメント

石川愛紘 選手(スフィーダ世田谷FCユース)
最初に大川小学校を見た時、びっくりして言葉を失いました。神山さんの体験談も悲惨なことばかりで、びっくりました。本当に震災、津波の怖さを感じました。自分たちはこうして今も家族がいて、学校に通って好きなサッカーをして、当たり前のようで当たり前ではなく、ありがたいことで、感謝しないといけないとあらためて思いました。
トレーニングマッチは、相手が男子ということで、フィジカルの差はあるけど、気持ちでは負けないと決めていました。自分の課題であったコーチング、ビルドアップへの関わりはできたと思います。大きな声でより正確にたくさん声を出すことができました。自分の長所だと自信を持って言えます。しかしクロスからの失点が多く防げる失点もあり、もっと自分が言わなきゃいけないところもありました。それでも、約束ごとだった「最後までやり切る」ことはできました。明日以降も最後までやり切ってトレーニングの質を上げ、もっとレベルアップできるようにしたいです。

松崎花菜 選手(尼崎レディースU‐15/JFAアカデミー堺)
被災地見学では、被災した小学校を見に行きました。石でできた渡り廊下が津波によって曲がっていて、また104人のうち74人が亡くなったそうです。私は被災地に行き、今、自分の生きている環境がとても良い環境だとあらためて思うことができ、被災した人の話を聞き、心が熱くなりました。
ベガルタ仙台U-13男子と練習試合をしましたが、スピードも速く、パスの質やトラップの質も高くて、なかなかボールを奪うことができませんでした。ただ守備を連続して続けることで、ボールを奪う回数が増えました。これはトレーニングでやったことが結果に出たのだと思います。これからどんな環境の中でもやったことを生かし、100%の力を出し切れるようにしたいです。

朝倉加奈子 選手(岡山湯郷Belle U‐15・U‐18/JFAアカデミー堺)
被災地はテレビでしか見たことがありませんでした。目の前で見て、釣石神社での自然のすごさと被災した学校での自然の恐ろしさ、そして人々の努力を見ることができました。人々の努力はとてもすごいと思いましたし、生きる限りできないことはないと教えてもらいました。
ベガルタ仙台U-13男子相手の練習試合では、スピードやパワー、たくさんのことが私たちよりレベルが高く、試合には負けてしまったけれどとても良い経験になりました。私のミスをみんなに助けてもらうことが多くあり、本当に仲間は大切だと実感した試合にもなりました。チームのみんなと「成果」と「課題」を出しあい、改善点も話し合いました。悔いのないようにやり切れるよう、精一杯頑張りたいです。

堀内香歩 選手(アルビレックス新潟レディースU‐15)
今回のエリートキャンプでは、ここでしかできない貴重な経験ができました。自分の得意なプレー、自分にはまだ足りない部分がはっきりと分かりました。トレーニングでは、コントロール、パス、守備、ポゼッションをやりました。常に「世界基準」という言葉を考えてプレーできました。ベガルタ仙台U-13との試合では、スピード、パス、コントロールの質が全く違い、何もすることができませんでした。「世界基準」を実感し、自分はまだまだだと思いました。今回負けてしまったチーム、さらに強いチームにも通用するプレーができるように、エリートで学んだことを活かしてこれからも練習していきたいです。

中村三緒 選手(東海大付属静岡翔洋高中等部)
四日間で良いところも悪いところもたくさんあり、自分のことをよく知ることができたと思います。このキャンプでは守備を主にやって、距離感やプレスの速さを学びました。まだまだ課題はたくさんあるけれど、どんな時も自分の全ての力を100%出して、少しでも「世界基準」のレベルに近づきたいです。パスでもコントロールでも、ひとつひとつ細かく丁寧にプレーして、このパスは正確だったか、ボールの位置はそこで良かったのかを厳しく判断することで、少しでもレベルアップに繋がるのではないかと思いました。この四日間で出たたくさんの課題はチームに持ち帰って練習し、良かったところはまたその「上」のレベルを目指して伸ばしたいです。誰にも負けない、世界でも通用するような選手になり、目標、夢に向かって一歩ずつでも前進していきたいです。

佐伯綾 選手(神戸フットボールクラブレディース)
初めは誰の名前もわからず、緊張して話すことができず、プレー中にも声が出せませんでした。でもみんなが優しくて、どんどん楽しく話をすることができて嬉しかったです。トレーニングでは守備の仕方、ポジショニング、パスやトラップを細かいところまで意識してやりました。相手とボールが見える位置でディフェンスをするとか、体を入れて取りきること、トラップを次に蹴りやすいところに置くことなどは、練習してできるようになり、上手くいくようになってすごく嬉しかったです。レベルが高く、思い通りにできなかったことも多くありましたが、守備と攻撃で体を張り、精一杯頑張ってやり切れたと思います。世界で通用するプレーを目標にこのキャンプに参加しましたが、これから「世界基準」を超えるプレーができるようにもっともっと努力して上手くなりたいです。このキャンプでその気持がさらに強くなりました。

スケジュール

9月2日(金) PM トレーニング
9月3日(土) AM/PM トレーニング
9月4日(日) AM
0-8
東日本大震災 被災地訪問(石巻市内)
練習試合 vs ベガルタ仙台U-13(泉パークタウン)
9月5日(月) AM トレーニング

※スケジュールは、チームのコンディションや天候等により急きょ変更する場合があります。

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