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ニュース

【東京オリンピックに向けて】田中駿汰選手インタビュー

2020年03月12日

【東京オリンピックに向けて】田中駿汰選手インタビュー

東京オリンピックに向けて活動を続けるU-23日本代表。3月のFIFAインターナショナルマッチウィーク期間の活動は中止が決定しましたが、本戦を見据えて強化をしていくことに変わりはありません。今回は、昨年のトゥーロン国際大会でU-22日本代表に初選出され、今年1月のAFC U-23選手権タイ2020にも出場した田中駿汰選手(北海道コンサドーレ札幌)に、代表チームでの経験や東京オリンピックへの思いなどを聞きました。

――田中選手はガンバ大阪ジュニアユース出身ですが、当時からプロへの意識はありましたか。

田中 小学生のときのチームメートがG大阪のセレクションを受けるというので、僕も一緒に行きました。もちろんプロになりたいと思っていましたが、当時はそこまで高い志を持っていたわけではなく、軽い気持ちで受けました。

――G大阪ジュニアユース時代には、同年代史上初となる国内三冠(JFAプレミアカップ、高円宮杯全日本ユースサッカー選手権大会、日本クラブユースサッカー選手権大会)を達成しながらも、同ユースに昇格することができませんでした。

田中 昇格できると思っていたので悔しい気持ちはありました。でも、高校のサッカー部でやってみたいという気持ちも一方ではあった。悔しい気持ちもありましたけど、高校サッカーでやってやるとポジティブに考えました。同時に、(ユースに上がれず)見返してやろうという気持ちも湧いてきました。

――その後、履正社高校から大阪体育大学に進学します。

田中 高校卒業後にプロに行きたかったんですけど、声がかかりませんでした。そこは単純に実力がなかったな、と。大学で4年間しっかりやって力を付けてプロに行こうと切り替えました。

――その言葉通り、在学中にプロの内定を受けた上、SAMURAI BLUE(日本代表)にも選出されました。成長できた要因は何ですか。

田中 大阪体育大は、自分のプレースタイルとは真逆のサッカーをするチームでした。蹴って走って守備をして、というチームで、対人プレーの強さを求められました。でも、そこは中学、高校とサッカーをやってきて自分に足りない部分でもありました。苦手なところを補えた上、弱点を強みに変えるところまで成長できたのは良かったです。

――G大阪ジュニアユース時代の同級生や一つ後輩の堂安律選手らのプロでの活躍を見てどのような刺激を受けましたか。

田中 ニュースに出てくるので、刺激にはなっていましたね。カテゴリーは違いますけど、自分は自分がいる場所でしっかりやらないといけないという気持ちにさせられていました。

――昨年は、北海道コンサドーレ札幌への加入内定、JFA・Jリーグ特別指定選手承認、U-22日本代表選出、ユニバーシアード優勝、サムライブルー選出と忙しい1年でした。

田中 全く想像できないような、いろいろな経験ができた1年でした。これまで積み重ねてきたことが正しかったと証明され、自信につながりました。代表に選ばれるという意識は全くなかったので、選ばれたときには、どこを評価してもらったのか分からなかったです(笑)。それぐらい想像もできない状況でした。

――昨年5月にU-22日本代表に初選出され、6月に開催されたトゥーロン国際大会で準優勝し、7月のユニバーシアードでは優勝を果たしました。日本代表のユニフォームの重みをどのように感じましたか。

田中 大学のリーグ戦とは違い、応援してくれる人がたくさんいる中で国を背負って戦う。その責任は感じましたし、初めての代表戦であらためて、中途半端なプレーをしては駄目だと実感しました。

――国際試合を通して学んだことはありますか。

田中 海外の選手の、オフザボールのときの動き出しはすごく速かった。僕はDFのポジションに入ることが多かったのでその速さに対応するのが大変でした。ボールがないところでの動きは、本当に参考になりましたね。ほかには「ここは届かないだろう」というボールに(彼らは)足が届いたり、逆に、取れると思ってボールに向かうとはじき飛ばされたりして、今後はそのレベルを基準にしてやっていかなければならないという思いが芽生えました。

――国を代表しての戦い。緊張したり、萎縮したりしなかったですか。

田中 あまり考え過ぎないようにしていました。プレーしているときは気にしなかったんですが、終わってからハイライト(映像)を見て、こんなすごい試合でプレーしていたんだと感じました。

――12月にはEAFF E-1サッカー選手権でサムライブルーに初選出され、唯一の大学生選手として参戦しました。

田中 びっくりしました。まだ日本代表には入れないだろうと思っていましたから。あのタイミングでの選出は、うれしさというより驚きの方が大きかったです。実際にプレーしてみて、やはり代表選手たちの一つ一つのプレーの質とダイナミックさはすごいなと思うことが多かったです。トップの代表選手たちとの差を感じました。

――森保一監督からはどのようなことを求められていますか。

田中 ビルドアップでしっかりと起点をつくることと、ボランチとDFどちらで起用されても自分のパスから攻撃が始まるように、ということを常に言われています。ゲームをつくるというところは特に求められていることだと思います。

――日本代表の試合で意識していることは。

田中 周囲の選手のレベルが高いので、シンプルにボールを渡すところは渡して、周りの選手の長所を生かすことに重きを置いてやっていました。ボランチとしての仕事をしっかりしながら、隙があれば自分も前線に上がってシュートするなど、攻撃に加わるということを意識していました。

――代表でのプレーを経験するにつれて、手応えも感じてきたのではないですか。

田中 自分の得意なプレー、例えばビルドアップなどは通用すると感じました。一方で、課題もそれなりに見つけられました。守備では、レベルが高い相手になると、ポジショニングのミス一つで失点につながってしまう。そういうのを知ることができたのも、良い経験だなと思いました。

――オリンピック代表チームのメンバー争いは熾烈(しれつ)です。

田中 登録メンバーは18人と少ないですからね。その中でDFとボランチができるというのは、周りと差をつけられる部分かなと思います。メンバーに入るために、どちらのポジションでも質を落とさずにプレーできるようにしたい。それができればメンバー入りのチャンスは広がってくると思います。

――東京オリンピック世代の選手たちの雰囲気はいかがですか。

田中 常に明るいですね。試合前日でも明るい雰囲気でやっている。やるところはしっかりやって、ワイワイするところはワイワイして。そのめりはりはしっかりできているなと思います。個人的に仲が良いのは旗手(怜央)選手と田中碧選手(共に川崎フロンターレ)。いつも一緒にいます。

――東京オリンピックへの思いを聞かせてください。

田中 オリンピック代表に選ばれれば、貴重な経験になります。身内や家族も見に来ると思うので楽しみですし、金メダルを目指して戦いたいと思っています。ただ、そこがゴールではなく、その先に日本代表があります。トップの代表にたどり着くためにオリンピックが一つのステップになると考えています。

――2022年のFIFAワールドカップが大きな目標になると。

田中 オリンピックのメンバーが主力になっていかないといけない。僕らの世代が押し上げないと、日本代表の力は上がっていかないと思っています。

――目指す選手像はありますか。

田中 いろいろなことができる選手になりたいですね。監督が求めることに何でも対応できるような。この選手がいればどのポジションで使っても大丈夫だと思ってもらえるような選手になりたいです。

――憧れの選手はいますか。

田中 (ルカ・)モドリッチ選手(クロアチア)が好きですね。守備もできて、前にも飛び出すことができる。いろいろなところに顔を出せる選手なので。そこは自分の理想としているところでもあります。

――最後に、今後の目標を教えてください。

田中 まずはコンサドーレで試合に出ること。ワールドカップに出るという夢はありますけど、1試合1試合しっかりアピールしてポジションをつかむことを目標にしています。その先にオリンピックやワールドカップ出場があると思っています。

(本インタビューは2月下旬に行われました)

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