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なでしこジャパン E-1サッカー選手権ヒストリー<前編/2005‐2008>
2017年11月29日
12月8日(金)~16日(土)、東アジアサッカーの頂点を決める「EAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会」が、男子は味の素スタジアム、女子は千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)で開催される。本大会は、2003年に「東アジアサッカー選手権」として産声を上げ、今回で男子は6回目、女子は5回目の開催となる。本大会が日本で開催されるのは、2003年、2010年に続き今回が3度目。2017年大会の開幕を前に、これまで日本が繰り広げてきた戦いの歴史を振り返る。
東アジア女子サッカー大会2005
2005年8月1日~6日/韓国開催(大邱、大田、全州)
vs 朝鮮民主主義人民共和国 0-1(前半0-1、後半0-0)
vs 中国 0-0(前半0-0、後半0-0)
vs 韓国 0-0(前半0-0、後半0-0)
3戦勝利なし、無得点で苦汁をなめた第1回大会
第1回大会となる東アジア女子サッカー大会2005は、なでしこジャパン(日本女子代表)にとっては苦い経験と記憶される大会であった。
大橋浩司監督率いるなでしこジャパンは、第1戦の朝鮮民主主義人民共和国(DPR Korea)戦で攻撃陣を封じられて0-1で敗れると、第2戦の中国戦では、相手の倍以上のシュートを放つも0-0で終了。第3戦のホスト国・韓国戦でも日本が攻め続けものの、ゴールが遠くスコアレスのままタイムアップを迎え、韓国の初優勝を目の前で見届けるという悔しさを味わった。前年からなでしこジャパンを指揮する大橋監督が、初めて臨む国際大会だったが、2分1敗で3位となり、無得点で大会を終えた。
なでしこジャパンは、前年のアテネオリンピックをベスト8で終えると、引き続き磯﨑浩美選手がキャプテンを務める一方、さいたまレイナスFC(現浦和レッズレディース)でプレーしていたGK山郷のぞみ選手がカリフォルニア・ストーム(アメリカ)に活躍の場を移し、宇津木瑠美選手が国際マッチデビューを果たすなど、新たな方向性を模索する移行期だった。そのため、東アジア女子サッカー大会2005は結果的には満足のいくものではなかったが、それらの経験は決して無駄ではなく、その後永里優季選手は得点を重ねていき、岩清水梓選手も代表デビューを果たして、存在感を増していった。
なでしこジャパンにとって、初開催の東アジア女子サッカー大会2005は、東アジア地区の女子サッカーのレベルの高さを再認識するとともに、その壁を越える助走を開始したと言える大会であった。
東アジア女子サッカー選手権2008決勝大会
2008年2月18日~24日/中国(重慶)
vs 朝鮮民主主義人民共和国 3-2(前半1-1、後半2-1)
【得点者】安藤梢、宮間あや、澤穂希
vs 韓国 2-0(前半1-0、後半1-0)
【得点者】荒川恵理子、大野忍
vs 中国 3-0(前半2-0、後半1-0)
【得点者】大野忍(2得点)、永里優季
※得点者は日本のみ
なでしこジャパン飛躍の礎を築いた初タイトル
東アジア女子サッカー選手権2008決勝大会は、なでしこジャパンにとって大きなターニングポイントとなった。
前年に行われたFIFA女子ワールドカップ中国2007でグループステージ敗退に終わり、大橋浩司監督からバトンを引き継いだ佐々木則夫監督が、初めて公式戦に臨み、見事初優勝を成し遂げたのだ。
第1戦の朝鮮民主主義人民共和国戦は、安藤梢選手が先制ゴールを決めるが、一度は逆転を許してしまう。しかし、国際Aマッチ51試合目の宮間あや選手が、直接FKを決め2-2の同点に。するとこの試合を機にボランチが主戦場となっていく澤穂希選手が、後半アディショナルタイムにループシュートで勝ち越し弾を決める。なでしこジャパンは3-2で朝鮮民主主義人民共和国から約4年ぶりに勝利するとともに、佐々木監督の初陣を飾った。第2戦の韓国戦でも、なでしこジャパンの勢いは止まらず、澤選手のアシストから大野忍選手が得点するなど、2-0で2連勝を達成する。
そして第3戦の中国戦は、両チームが優勝の可能性を残すという状況でキックオフを迎えた。大野選手の2得点で前半のうちになでしこジャパンがリードを広げると、後半には永里選手が得点を奪い、3-0で完封勝利を収めた。
佐々木監督が掲げる「攻守に連動したサッカー」を、選手たちが意欲的に取り組んだ結果、3戦全勝でなでしこジャパンは、チーム史上初の国際タイトルを獲得、さらに澤選手が大会MVPに輝く、記念すべき大会となった。
なでしこジャパンはこの大会で得た自信を胸に、同年のAFC女子アジアカップベトナム2008で3位、北京オリンピック2008で4位に入賞。なでしこジャパンが世界大会で上位進出する礎を築いたのが、東アジア女子サッカー選手権2008決勝大会であった。
なでしこジャパン E-1サッカー選手権ヒストリー<後編>では、2010年大会、2013年大会、2015年大会を振り返ります。
EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会
男女ともに、中国、日本、朝鮮民主主義人民共和国、韓国の4チーム総当りによるリーグ戦で東アジアサッカーの頂点を競います。12月8日(金)から16日(土)まで、男子は味の素スタジアム(東京)、女子は千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ/千葉)で行われます。