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ブルーノ・ガルシアのフットサル道場 vol.19「ピンチのときこそ すべき振る舞い」

2020年05月08日

ブルーノ・ガルシアのフットサル道場 vol.19「ピンチのときこそ すべき振る舞い」

必見「フットサル道場」!
機関誌『JFAnews』で連載中のブルーノ・ガルシアフットサル日本代表監督のコラムをJFA.jpでもお届けします。フットサルの魅力や指導法など、フットサルだけでなく、サッカーにも通じるポイント満載です。
※本コラムはJFAnews2020年4月に掲載されたものです

自分のマインドは自分で操ることができる

現在、私は生まれ故郷スペイン北西部ガリシア州のフェロルの自宅にいる。2月下旬に、スペインに帰国した。所用を済ませた後にフットサルスペインリーグでプレーする日本代表候補選手の試合を視察して日本に戻る予定だったが、試合は新型コロナウイルスの影響で中止になり、私自身も自宅で待機することになった。
そうこうするうちにスペイン全土に感染が拡大し、3月14日に15日間の、同30日に2週間の外出禁止令が出された。正直、これだけ長い時間を家で過ごしたことはない。親が高齢ということもあり、自宅から2キロ離れたところにある実家にも行くことができない状態だ。
とはいえ、落ち込んでいても仕方がない。困難な状況でもあえて前向きな気持ちで日々を過ごすべきだと思っている。これまでの自分は、シーズン開幕とともに試合視察、合宿、講習会、クリニックと次々とやることをこなし、ともすれば物事を「処理」しがちだったが、今は違う。期せずしてできた時間を、手つかずになっていた業務や、やりたくてもできなかったことに充てることができる。
自宅待機している中で二つ思っていることがある。一つは、自分のマインドは自分でコントロールでき、それを日常に生かせるということ。例えば、朝起きてジムに行って、仕事場で会議をするという日常を過ごせなくとも、それに近いことができる。朝起きた後、自宅でエクササイズをし、自分のデスクで働き、WEB会議に参加することは可能だろう。つまり、苦境に陥っても案外平常時と同じように生活できると感じること、物事をポジティブに捉えることが重要だと思うのだ。

良い選手ほどエゴを捨てられる

もう一つ、感染症のリスクにさらされ、スポーツができない状況でもそれを乗り越えるために何をすべきか、それを意識するための価値観を持っておくことが不可欠だと考える。
これは、チームが苦戦を強いられているときに自分に何ができるかを考えることと同じだろう。本当に頼れる選手、私が考える良い選手は、劣勢のときほどエゴを捨ててチームプレーに徹する。こうした選手は、組織に勝る個人はいないと知っているから、「“自分”はどうすべきか」ではなく、常に「“自分たち”はどうすべきか」とチームを主語にしてプレーする。
その意味で、いま世の中をにぎわせている買い占め問題を見ていると、誰がソリダリティー(社会的な団結心)を持っていて、誰がエゴイストかがよく分かる。広義に言えば、社会もチームと捉えられる。そのチームが苦境に陥り、そこから挽回を図りたいのであれば、「われわれはどうすべきか」と考えた方が問題解決につながる。そう考えることができれば、買い占めもおのずとなくなると思う。
今、自分たちは二つの病に直面している。一つは新型コロナウイルスで、もう一つはエゴイズムという病だ。後者は意識次第で治すことができる。だから、社会というチームがピンチに陥っているときに取るべき行動を取るだけだ。
ピンチのときほどすべき振る舞いがあると思う。それを今回のクライシスをきっかけに学び、全員で困難を乗り越えていきたい。


現在は自宅待機が続いているが、ブルーノ監督はチームスタッフたちと
WEB会議などを通じて綿密にコミュニケーションを取っている

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