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【日本サッカーミュージアム】インタビュー・前編 日本サッカー協会総務部ミュージアムグループ 村上洋樹氏

2022年11月23日

【日本サッカーミュージアム】インタビュー・前編 日本サッカー協会総務部ミュージアムグループ 村上洋樹氏

2002FIFAワールドカップ日本/韓国のレガシーを活用し、サッカー文化のさらなる発展を目的に2003年12月22日に開館した日本サッカーミュージアム。2023年2月の休館を前に、同ミュージアムの設立に携わり、現在も管理・運営を担当する日本サッカー協会総務部ミュージアムグループの村上洋樹氏に話を伺いました。

※このインタビューは2022年10月24日に実施しました。

2002年日韓大会を起点に、過去と現在と未来をつなぐ

――まずは、ミュージアムを設立することになった背景から教えてください。

村上 出発点をさかのぼると、日本サッカー協会(JFA)創立75周年記念の席ですから1996年9月10日です。長沼健会長(当時)が「自社ビルを持ちたい」と。これに呼応する形で岡野俊一郎副会長(当時)が「小さくてもいいからミュージアムがほしい」とおっしゃったんです。そこからですね。

――同年5月には2002FIFAワールドカップの日韓共同開催が決まりました。

村上 Jヴィレッジの建設も始まっていました。1996年夏のアトランタオリンピックでは王国ブラジルを破るなど、日本のサッカー界に明るい未来が見えてきた時代です。

――ミュージアムの構想が持ち上がったわけですが、設立に向けて本格的に動き始めるのは日韓大会の後でした。

村上 私自身は1994年からワールドカップ日本招致委員会、準備委員会を経て、JAWOC(日本組織委員会)の職員でした。大会が終わって、サッカー界からすっかり離れ、国外で別の仕事に携わっていたのですが、2002年の年末に帰国した際に、JAWOCから「ミュージアムをつくるので組織委員会に戻ってこないか」と連絡をもらいました。

――ずいぶんと急な話でしたね。

村上 冒頭で触れた自社ビルの構想が具体化し、いくつかの候補に絞られていた時期でした。そして、最終的に現在のビルに決まり、そこにミュージアムをつくろうとなりました。

――2003年ですね。

村上 JAWOCが解散するまでにつくってほしいと。それがJAWOCの創立記念日でもある同年12月12日。そこを目がけて、2002年FIFAワールドカップ記念館としてミュージアムをつくることになりました。

――そうなると、1年足らずでつくらなければならなかったわけですね。

村上 正直、大変でした。まず、事業構想をつくらなければなりません。そこで少数のスタッフと合宿をして、約3カ月間で仕上げ、プロポーザル・コンペを実施し、協力会社を選定しました。JAWOCの実行委員会にて承認をいただき、ようやく本格的な作業に入るわけです。

――なぜミュージアムが必要か、その役割とは何なのか、という事業構想の幹から固めたのですか。

村上 JFAは日韓大会を経て、川淵三郎会長(当時)はすでにJFA2005年宣言の前に、「2050年までにもう一度、ワールドカップを開催し、優勝する」という目標をおっしゃっていて、そこから2002年ワールドカップを起点に「過去と現在と未来をつなげること」をコンセプトにして、その幹から枝葉へと広げていきました。

――最終的にゴーサインが出たのはいつ頃でしょうか。

村上 5月のゴールデンウイーク明けです。そこから半年ちょっとで、何とか完成にこぎ着けました。資金は十分でしたが、とにかく時間がない。ご協力いただいた関係者の方々には感謝の言葉しかないですね。

――作業自体は当初の計画通りに進んだのでしょうか。

村上 いや、その過程で「あれもやろう、これもやろう」ということになって……。例えばミュージアムのエントランスはその一つですね。オフィスは1階、ミュージアムは地下1階からの入場と当初計画したものが、結局、1階にミュージアムの専用入り口を別途、設けることになりました。

――そうした事例が一つや二つではなかったわけですね。

村上 とにかく、私たちはやるしかなかったですから。立ち止まる暇はないので、ひたすら走り続けました。

――当然、人手も必要になりますね。

村上 いや、少人数でやりました。大人数になると、まとまるまでに時間がかかってしまう。だから合宿になったわけです。

――人々がサッカーミュージアムに何を求めるか。そのあたりのマーケティングにも積極的に取り組み、参考にしたのでしょうか。

村上 当然、やりました。春先に日本代表戦のスタジアム観戦者にアンケート調査を実施して、ファン・サポーターの方々の潜在的なニーズを洗い出しました。

――展示品の選別も大変だったのではないでしょうか。

村上 先ほどお話しした2002年の日韓ワールドカップを起点にするというコンセプトがありましたから。最も頭をひねったのは過去と現在と未来をつなぐための仕掛けをどうするか。ある意味、ミュージアムの目玉ともいうべきものですね。

――あれが、そうですか。

村上 そうです。あれです。

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