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S級コーチ養成講習会2021 Module3・集中講習⑥ 受講者レポート Vol.9

2021年09月24日

S級コーチ養成講習会2021 Module3・集中講習⑥ 受講者レポート Vol.9

Module3も最終週を迎え、オンラインでの講習に慣れてきたこともあり、休憩時間や講義終了後にオンライン上での雑談も活発に行われるようになりました。
スポーツ救命救急の講義・実技では、オンラインではあるもののそれぞれができる範囲で積極的に実習にも取り組みました。
Module4までの間、インストラクターによるクラブ訪問が実施され、10月18日(月)に再集合する予定です。

Module3・集中講習⑥

期間:9月13日(月)~9月16日(木)

9月13日(月) 午後 フィジカルコンディショニング:早稲田大学教授 広瀬統一
   プレゼンテーション実践
   プロフェッショナルコーチング論:指導者養成ダイレクター/S級インストラクター 鈴木淳
9月14日(火) 午後 プレゼンテーション実践
   スポーツ救命救急:スポーツ救命救急部会員/順天堂大学 循環器内科 福島理文
            スポーツ救命救急部会員/千葉市立海浜病院 救急科 本間洋輔
9月15日(水) 午後 プロフェッショナルコーチング論:京都サンガF.C. 監督 曺貴裁
   JFAの取組み~育成~:ユース育成ダイレクター/S級インストラクター 影山雅永
9月16日(木) 午後 プロフェッショナルコーチング論:S級インストラクター 大岩剛
   プロフェッショナルコーチング論:指導者養成ダイレクター/S級インストラクター 鈴木淳
   Module3まとめ

コメント 

高橋勇菊さん(富山新庄スポーツクラブ)
先週に引き続きModule3は、9月13日(月)~9月16日(木)の最終週もオンラインによる講習会となりました。
今週はプレゼンの発表4名、フィジカルコンディショニング、プロフェッショナルコーチング論、スポーツ救命救急、JFAの取り組み、大きく分けて5つの内容について講義をしていただきました。

まずフィジカルコンディショニングの講義では広瀬統一氏にお越しいただき、お話を伺うことが出来ました。
現場でテクニカル側(監督・コーチ)とメディカル側(トレーナー・ドクター)がしっかりとコミュニケーションを取れていますか?フィジカルコーチがいる場合はどのような立場にいますか?そして実際にはどのような問題がありますか?などを4人グループに分かれてのディスカッション、グループワークも行われました。また、怪我をした選手が復帰をする際の基準はありますか?リハビリとリコンディショニングの違いは?受講生たちは多くの質問を真剣に考えていました。それらを知ることによって選手、チーム、クラブを守ることにつながり、怪我をした選手は個人差があるので「平等より公平」が大切であるということ、また怪我からの復帰に関しては「基準というよりは原則なのではないか」ということなど多くを学ばせていただきました。

最後のプレゼン発表もありました。今まで発表した受講生に対し、インストラクターや受講生から新たな気づきや指摘をもらい、自分では気づかなかった部分を補っていきます。次に発表する人はそれを自分のものにし、回を重ねるごとに発表内容のレベルが上がっていると感じました。それでもテーマに対しての深掘り感、テーマ理解、言葉のトーン、タイムマネジメントなど、新たな課題が出てきていました。今回で全受講者の発表が終わり、各々が良かった部分と修正する部分を確認できていました。普段中々行わない作業ではありましたが、全受講者が指導者として「誰に・何を・自分の言葉で・どのように」伝えるかを学んでいたと感じます。

スポーツ救命救急では、順天堂医院・福島理文先生と千葉市立海浜病院・本間洋輔先生の2名にお越しいただき、主に熱中症、脳震盪、心臓震盪のお話を伺い、AEDの使用と心肺蘇生の胸骨圧迫については実技も行いました。これらは特に現場で起こりうる事象で世界的にも取り上げられている問題でした。これらの問題をどう防ぎ、起こってしまった時にどう対応すべきか、改めて勇気と落ち着きが必要だと感じました。胸骨圧迫では本間先生から常に「強く・速く・絶え間なく」の掛け声をいただき、そのリズムで必死にマッサージを繰り返しました。これらを知っておくことはサッカーだけではなく普段の生活でも役立つと思い、全受講者が必死に取り組んでいたことが印象的でした。

プロフェッショナルコーチング論ではインストラクターの鈴木淳さん、大岩剛さん、ゲストは現京都サンガFCの曺貴裁監督のお話を伺うことができました。
鈴木淳さんからは主にチームマネジメントのお話をしていただきました。クラブの哲学や方向性を知り、コーチングスタッフ・選手・強化部・クラブスタッフなど全ての関係者と良好な関係を築かなければいけないことを、ご自身の経験談を交えてお話しいただきました。印象的だったのは「しっかりチームマネジメントをすると意気込むのではなく、自分が様々な見方をすることでチームがまとまるきっかけになるのかもしれません」とおっしゃっていたことです。
大岩剛さんからもご自身の経験談や監督時のチームスケジュール、チームの方向性など当時使用していたものをご紹介していただきました。最初の仕事は当時のマネージャーに「明日のTRは何時からですか?」の質問に答えたこと。とおっしゃっていました。それは「監督の最も重要な仕事は決断すること」だからだと。とても重要な仕事だと改めて考えさせていただきました。
曺貴裁監督からは現在好調の要因や若手選手、ベテラン選手、外国人選手の起用方法などとても貴重なお話を伺うことができました。中でも伝え方は工夫していて「私は言霊を信じている」とおっしゃっていたことと、ゲーム強度は「いつ・どのタイミングで・誰を使うかで変化する」とおっしゃっていたことです。その他にも受講生からのたくさんの質問に気さくに答えていただきとても有意義な時間でした。

最後にJFAの取り組みではインストラクターでもある影山雅永さんから日本代表がトップに立つために、育成年代でどのような要素を改善すべきか「みんなで一緒に変えていこう」「何かを変える時には時間とパワーがかかってしまう」という日本の問題もお聞きすることができました。受講生から多く出た意見で、日本をより良くしていくためには学校教育の問題や部活とクラブの問題、文化の問題などがあがりましたが、それに対して「サッカーが強くなれば、その国の良さや文化、教育の良さを失っても良いのだろうか?」とおっしゃっていたことに深く考えさせられました。

今回でModule3は終了になります。毎回多くの学び、刺激を受けていくなかで、自分には何ができるのだろう、自分ならどうするのだろうと考え、毎日が小さな決断の日々だということに気づかされています。これらを積み重ね自己を築き、より高いレベルでチャレンジしていけるようにしていきたいと思います。

次回は辻田真輝さん(ツエーゲン金沢U-18監督)よりお伝えします。

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