SAMURAI BLUE

宮本 恒靖

2025.6.11

日本サッカー協会 会長

宮本 恒靖

みんなで一緒に眺めてこそ 「最高の景色」

SAMURAI BLUE(日本代表)は、2026年6~7月にアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国で共催される
FIFAワールドカップ26に臨みます。

合言葉は、「最高の景色を2026 FOR OUR GREATEST STAGE」。ドイツ、スペインといったワールドカップ歴代優勝国に勝利した前回のカタール大会での経験も踏まえ、チームは優勝に向けて一致団結しています。日本サッカー協会(JFA)は、2005年元日に発表した「JFA2005年宣言」の中長期目標の一つ、「JFAの約束2050」に、日本代表が2050年までにワールドカップで優勝することを記していますから、現在のチームの姿勢は心強い限りです。日本サッカーを取り巻く全ての人たちの力を借りながら、その機運を醸成していくためにも、森保一監督が用いた言葉を前面に押し出すことにしました。

SAMURAI BLUEには欧州のトップリーグ、トップクラブでプレーする選手たちが増えました。彼らは日頃から世界的なトッププレーヤーを相手にし、その中でタイトルも獲得していますから、世界一という目標を決してミッションインポッシブルだと思っていないでしょう。簡単ではないと重々理解した上でやりがいを感じて取り組んでいることは、チームを見ていても伝わってきます。

国際サッカー連盟(FIFA)の会議などで様々な国の関係者と会話をしていても、もはや誰も日本を「力をつけてきた新興国」とは捉えてはいません。勤勉かつテクニカルで俊敏性があるというベースを持ちながらキャパシティがどんどん大きくなっている日本サッカーは、10年前とは全く異なる見られ方をしていると感じます。

日本のワールドカップ出場は今回で8大会連続となります。これまで積み上げてきた歴史があって、今があります。選手時代に私が見た「最高の景色」は、2002年の日韓大会でワールドカップ初勝利を挙げたロシアとのグループステージ第2戦です。ピッチから横浜国際総合競技場のスタンドを眺め、皆さんがそれぞれに喜んでくれていた光景は今も目に焼きついています。

チュニジアとの第3戦にも勝って、大阪からベースキャンプ地がある静岡の北の丸に新幹線で移動する際、駅に停車するたびにプラットホームに多くの人が殺到しました。ワールドカップにはこれほどの影響力があるのかと驚かされました。また、優勝を「最高の景色」とするならば、2004年に中国で開催されたAFCアジアカップが思い出されます。チームが一体となって困難を乗り越えた達成感は、本当に最高の味わいがありました。

「最高の景色」に向かうためには、皆さんの力が不可欠です。SAMURAI BLUEを応援していただくとともに、ぜひ一人でも多く周囲の人を巻き込んでいただければと思います。一緒に観戦する、話題にするなど、どんな形でも構いません。

私には日本でサッカーをもっと大きな存在にしたいという思いがあります。SAMURAI BLUEの戦いに触れて、何かを感じ取っていただきたい。リスペクト、フェアプレー、諦めない気持ちなどを一貫してチームが伝えていけるようになれば、その存在価値をさらに高められるでしょう。サッカーやSAMURAI BLUEが、皆さんにとって「明日からまた頑張ろう」と思ってもらえるような存在であってほしい。一人でも多くの人を巻き込み、みんなで一緒に眺めてこそ「最高の景色」になるはずです。

MESSAGE

HOME
TOP
JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー