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ホーム > SAMURAI BLUE 2022年 > 最新ニュース一覧 > 【宮本恒靖さんインタビュー】あの感動から20年~2002FIFAワールドカップ日本/韓国~

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【宮本恒靖さんインタビュー】あの感動から20年~2002FIFAワールドカップ日本/韓国~

2022年06月17日

【宮本恒靖さんインタビュー】あの感動から20年~2002FIFAワールドカップ日本/韓国~

2002FIFAワールドカップ 日本/韓国の開催から今年で20年を迎えました。ここでは日本代表として日本初のベスト16進出に貢献した宮本恒靖さん(現、JFA理事)にご登場いただき、当時の思い出について聞きました。

――まず、日韓大会直前の心境について伺います。開催国としてベスト16を期待される中、心理的な重圧はいかがでしたか。

宮本 多少なりとも、それを感じる部分はありました。前年のFIFAコンフェデレーションズカップで準優勝するなど、ある程度の積み上げがあったのですが、直前の欧州遠征でノルウェーに大敗し、確固たる自信をつかめないまま本大会を迎える形になりました。

――ノルウェー戦は先発出場でした。

宮本 チームの肝だったフラット3の背後をやられてしまい……。これはまずい、という空気が漂いはじめたのは確かです。

――ノルウェー戦後、フィリップ・トルシエ監督が「何か足りない」とスタッフ陣に明かした、という話を聞きました。

宮本 試合後の食事会場で監督やスタッフが話し込む姿を見て、いつもと違う空気を感じ取りました。何かあるかもしれない、と。

――最終メンバーに4年前のフランス大会を経験している中山雅史、秋田豊の両ベテラン選手が加わりました。

宮本 僕らに足りない何か。それが監督のたどりついた答えということですね。

――ベルギーとの初戦ですが、負傷した森岡隆三選手に代わり、急きょピッチに立つことになりました。

宮本 苦い経験を教訓に平常心で臨むことができました。教訓とは2年前のシドニーオリンピックです。ブラジルとのグループステージ第3戦を前に監督から「先発で使うぞ」と。そこで気持ちが高ぶりすぎてしまい、肝心の試合で空回りしました。あれ以来、常に平静を保つことを心掛けてきたことが、ベルギー戦での落ち着きにつながったのだと思います。

――試合自体は先に失点して……。

宮本 あれ?日本が先制したと思い込んでいました。(鈴木)隆行とイナ(稲本潤一)のゴールのほうが強く印象に残っていたからかもしれないですね。僕がピッチに立った時のスコアは2-1で、1点余裕がありましたし、ポジティブな心境で戦っていました。

――最終的には2-2のドローでした。

宮本 当然、勝ちたかったですが、最低限のノルマである勝ち点1は取れましたし、続く第2戦を絶望的な状況で迎えることもなくなって、非常に良い雰囲気でした。

――続くロシア戦は1-0で、待望の初勝利をつかみ取りました。

宮本 あの夜の出来事は忘れがたいですね。とにかく、ピッチがきれいで……。見たこともないような光景でした。初戦と同様、試合前から落ち着いていましたし、一歩引いたところから周りを見ることができました。試合中、ゾーンに入った自分を感じながらも、冷静に戦況を見極め、集中を切らさずに戦うことができたと思います。

――初戦の反省を踏まえ、フラット3の運用についても修正されていました。

宮本 そこは自信を持って臨むことができました。窮屈なライン設定を避け、相手の攻撃陣をうまくコントロールできたと思います。ロシア戦までの間、守備陣の選手で話をしながら、もう少し背後に余裕のあるライン設定にしたほうがいいのではないか、という結論に落ち着きました。

――チュニジア戦との第3戦に快勝し、初のベスト16に進出。相手はトルコでした。

宮本 不本意な形で先制点を許し、その後はボールを持てましたが、なかなか相手の懐に入っていけず、もどかしい状況が続いたままタイムアップ。試合中は“大人のサッカー”をされているなと感じました。

――世界のトップレベルとの間にどのくらいの差があるかを体感したわけですね。

宮本 代表のみならず、日本サッカー界全体で、そこをどう埋めていくか。その出発点になった試合でもあったと思います。

――アンダー世代で国際大会に出場してきた選手たちが主力となり、その経験値を十全に生かす初めての大会でもありました。

宮本 FIFA U-17ワールドカップに出場して以来、日本代表の一員として戦うことの誇りや責任が培われてきました。山本昌邦さん(1997年FIFAワールドユース選手権のU-20日本代表監督、日韓大会ではコーチ)からも「国際経験が君たちの将来につながる」と。また、1996年のアトランタオリンピックを含めた過去の出来事について詳細に話してくれたことも僕らにとっては大きかったですね。覚えているのはU-20日本代表のオーストラリア遠征です。みんなでビーチに行ったら、昌邦さんに烈火のごとく怒られて……。「低温火傷になる。パフォーマンスが落ちるようなことをしてはいけない」と。そうした細かい点を含め、国際大会で戦うとはどういうことかを学んできました。それが日韓大会でも生かされていたと思います。

――改めて、日韓大会は宮本さんの中でどう位置づけられていますか。

宮本 通用した部分もありましたし、大きな自信を得た大会でもあります。この先、どう進めばいいか、その道筋も見えてきました。また、フェイスガードを着けて戦った影響もあり、新しいファン・サポーターの方々から応援していただく良い機会にもなりました。日韓大会当時はJリーグの開幕から10年。ここで日本サッカーの火を消してはいけないという思いを何とか形にすることができたので、多少なりとも貢献できたのかなと思っています。

FIFAワールドカップカタール2022

大会期間:2022年11月21日(月)~2022年12月18日(日)
グループステージ
第1戦 11月23日(水) 16:00[現地時間] vs ドイツ代表
第2戦 11月27日(日) 13:00[現地時間] vs コスタリカ代表
第3戦 12月1日(木) 22:00[現地時間]  vs スペイン代表

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