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指導者への思い ~技術委員長 反町康治「サッカーを語ろう」第3回~

2020年10月30日

指導者への思い ~技術委員長 反町康治「サッカーを語ろう」第3回~

日本サッカー協会(JFA)は2008年から、SAMURAI BLUEに初招集された選手に、4種から1種にかけて(小、中、高校、大学時代に相当)、自分がお世話になったと考える若干名の指導者をそれぞれの年代で選んでもらうようにしている。名前が挙がった指導者にペナントとその選手のコメント付きの賞状を贈り、功績をたたえるためである。

実をいうと、そんな制度があることを私が知ったのは、つい最近のことだ。JFAの技術委員長になってから、千葉・幕張に完成した「高円宮記念JFA夢フィールド」に通うことが増えた。そこが私の新しい職場で技術委員長のデスクもあるわけだが、ある日、代表チームの総務が作業をしているのが目に入った。彼の前にあったのが青いペナントだった。何これ?」という私の問いに、彼は答えた。「SAMURAI BLUEを育てた指導者に贈る記念品です」。何も知らなかった私は「そんなことをしているんだ」と驚いたわけである。

カメルーン、コートジボワールと戦った10月のオランダ・ユトレヒト合宿でも同じ光景に出くわした。キャンプ地のホテルで晩飯を食べた後、食事会場でチームのスタッフらと雑談していると、隣のテーブルでは指導者への感謝のコメントを書き込んだ賞状をまとめるスタッフがいた。それを覗くと「これからも精進します お体に気を付けて この先も健康にお過ごしください!」と書いてあった。子供の頃から親身になって自分の面倒を見てくれた指導者に、感謝の気持ちを込め、青いペナントと賞状を贈るというのは心温まる感じがする。本人のコメント付きというのもいい。もらった側もうれしくて、自分の家のリビングの一番いいところに飾ったりするらしい。

SAMURAI BLUEに限らない。指導者というと「優勝」とか「日本一」とか、何か大きなタイトルを手にした人物にスポットライトは当たりがちだけれど、選手が成長していく過程には、手塩にかけて彼らを育てた名も無き在野のコーチがたくさんいるものだ。この制度の根っこにあるのは、そういう指導者の世界の「アンサングヒーロー」たちの労苦に、少しでも報いたいという気持ちなのだろう。

指導者の重要性、いい指導を受けることの大切さ。そんなことに私が思いをはせたのは、ユトレヒトでSAMURAI BLUEの面々と日々接した影響もあるかもしれない。サッカーはプレーにその人の性格が出ると言われるけれど、オランダに集まった選手たちは、やはり人間的にも優れていた。コロナ禍の代表戦という困難な状況にありながら、不平や不満を口にする者は一人もいなかったし、感染予防のプロトコルを順守させるためにあれこれ細かいことをこちらから注意することもなかった。

宿舎では密を避けるためにテーブルを囲んで皆で食事をすることができなかった。一人が一つのテーブルに座って食べる“個食状態”だった。そうなったら、ご飯を食べながらスマホなどを見る選手がいても不思議はないと思っていたが、彼らはそういうこともまったくしない。社会的距離を慎重に取りながらも選手同士で可能な限りコミュニケーションを図り、生の情報を交換し、それをチームに役立てようとした。日常の振る舞いも含め、そういう行動が付け焼き刃ではなく、ごく自然にできていた。そんな選手を見ながら、指導者は、ただサッカーを教えるだけでなく、選手の人間的な成長も見つめていく必要があると、あらためて痛感した。家庭では親の影響は大だが、グラウンドでは指導者が選手の人間形成に大きな影響を及ぼす。そんな責任の重さを今回のオランダ合宿で再確認したのだった。

この連載の最初の回で、私はJFAの“四位一体”について触れた。「代表強化」「選手育成」「指導者養成」に「普及」を技術委員長の仕事の柱に据えるつもりだと。その大事な柱の一つである指導者養成にもコロナ禍は影響を与えている。日本でサッカー指導者として活動するには、指導する対象に応じてJFA公認のライセンスを取得する必要があるが、今年度は日本国内の各地域では行われてはいるもののJFA主催のライセンス講習は開けないでいる。たくさんの受講生を集め、座学や実技の場を設けることは「3密」そのもののリスキーな活動になってしまうからだ。辛うじて今年度は最上位のS級ライセンスと、来年秋にスタートする女子プロサッカーの「WEリーグ」のために設けた「A-proライセンス」だけを開講している。さすがに指導者養成はオンライン講習だけでは足りず、Face to Faceの実践の場が必要になる。なので、実技の参加者には全員SmartAmp法検査を受けてもらい、陰性が確認された者だけが受講可能となっている。

指導者のライセンスをめぐっては、さまざまな意見があることを承知している。Jリーグの鹿島を引退した内田篤人が「ロールモデルコーチ」という名の肩書で、JFAの仕事を手伝ってくれることが、最近も話題になった。なぜそういう肩書なのか。理由は内田がナショナルコーチングスタッフに入るのに必要なライセンスを持っていないからだ。元日本代表でFIFAワールドカップ出場経験があり、ドイツのシャルケ時代にはUEFAチャンピオンズリーグのベスト4まで勝ち進んだ。そんな内田でも正式にコーチになろうとしたら、ライセンスをこつこつ取得していく必要がある。それを不思議に思う人がいるのも分かるし、賛否両論いろんな意見があっていいと個人的には思っている。

ただ、Jリーガーで初めて現役選手のうちから指導者養成コースに通い、最初に取得したC級を足場にバルセロナに留学したり、高校のチームを指導したりしながらS級にたどり着き、36歳で当時J2だったアルビレックス新潟の監督になった我が身を振り返ると、本気で監督の仕事をするのであれば、取るべきライセンスはきちんと取った方がいいと断言できる。選手と監督はまったく別の仕事であり、監督気分で選手をやってはいけないし、選手気分のまま監督をやってもいけないからだ。

サッカーの進化に合わせ、ライセンス制度も時代に即してアップデートされ、変化が激しい。細分化も進み、幼児や小学校の低中学年向きの「公認キッズリーダー」に始まり、小、中、高校生を指導するコーチ、大人のプロ選手を指導するコーチ、GKコーチ、フットサルのコーチに加え、来年(2021年)にはフィジカルコーチのライセンス制度も整う。教える対象によってコーチのスタンスや指導理念も変わるけれど、仕事そのものに大小や軽重はないと私は考える。小学生を教えることにはそれ相応の難しさがあり、反抗期を迎えた中学生にどう接すればいいか、なんてことには経験も専門性も要求される。

誤解されると困るのは、ライセンス制度とはライセンスを取らせるのが目的ではなく、日本のサッカーをよりよくするための指針や方向性を、広くコーチたちに伝えることが最大の眼目なのである。またライセンスを取得してもそこはスタート地点に過ぎない。取ってからどうするかが大事で、しっかり学び続けなければならないし、学ぶことをやめたら指導をしてはいけないと言われるのも本当のことだ。

その中でもプロチームを率いる監督を待ち構えているのは、いばらの道だ。精進を重ねて現場を持てても成績が悪いとたたかれる。プロチームの監督になると、そのたたかれ方が半端ではない。それに耐えていくには相当なメンタルの強さがいる。そして、こればっかりは監督にならないと鍛えようがない。経験不足の監督が陥りがちなのは、自分の理想に当てはめようとして失敗するパターンだろう。シャビやイニエスタがいないのに、頭でっかちなままバルセロナのようなスタイルを目指しても、形にするのは難しい。やがて理想に現実が追いつかないまま任を解かれる。Jリーグで経験値のあるベテランの監督が重宝されるのは、彼らには現実と折り合う力があるからだ。

ドイツから若く優秀な監督が次々に出てくる。RBライプツィヒのユリアン・ナーゲルスマン監督は28歳でブンデスリーガ一部のトップチームを率いた。日本はそういう監督がなかなか表舞台に出てこられない。若くて勢いのある監督を輩出したいと思っているのだが……。これも私に与えられた宿題の一つかもしれない。

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