JFA Magical Field

「女の子がボールを蹴っている風景がどこでも見られる環境になってほしい」
JFA Magical Field Inspired by Disney ファミリーサッカーフェスティバル
“First Touch”/“First Touch Premium”
岩渕真奈さんインタビュー

「女の子がボールを蹴っている風景がどこでも見られる環境になってほしい」JFA Magical Field Inspired by Disney ファミリーサッカーフェスティバル“First Touch”/”First Touch Premium” 岩渕真奈さんインタビュー

「女の子がボールを蹴っている風景がどこでも見られる環境になってほしい」JFA Magical Field Inspired by Disney ファミリーサッカーフェスティバル“First Touch”/”First Touch Premium” 岩渕真奈さんインタビュー

日本サッカー協会(JFA)は2022年から小学1年生~3年生のサッカー未経験者を対象としたJFA Magical Field Inspired by Disney ファミリーサッカーフェスティバル“First Touch”/“First Touch Premium”を日本全国で開催しています。ここでは当プロジェクトにゲストとして参加した岩渕真奈さんに、ご自身の幼少期や子どもたちへの思いを聞きました。

○取材日:2023年9月9日

楽しく続けていくために成功体験は大事

――岩渕さんがサッカーを始めたきっかけを教えてください。

岩渕 小学校2年生のときに2つ年上の兄の練習について行って、真似してボールを蹴っていたら、そのチームの監督に誘われて始めました。ピアノとバレエ、バスケなども習っていたのですが、サッカーが楽しすぎて「他の習い事を全部やめたい」と言うぐらいでした。

――どのようなところにサッカーの楽しさを感じたのですか?

岩渕 私が通っていた関前SCというチームは1対1の練習が多かったので、まず兄に勝ちたいと思っていましたし、男の子に勝てたときはすごく楽しかったですね。同学年の仲間に恵まれたのも大きかったと思います。

――当時の女子サッカーの環境はどうでしたか?

岩渕 関前SCというチームはもともと少年団で、私がはじめての女子選手だったのでチーム名が変わったんです。それぐらい、周りに女子選手は少なかったですし、女子だけのチームも少なかったので、5年生のときに東京都選抜に選ばれて初めて女子だけのチームでプレーしました。

――JFAは昨年からウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社と共にJFA Magical Field Inspired by Disney ファミリーサッカーフェスティバル“First Touch”/“First Touch Premium”を開催しています。参加してみて印象はいかがですか?

岩渕 プロジェクトキャプテンの澤穂希さんに呼んでいただいたのですが、サッカーをやったことがない子どもたちが楽しそうにボールを蹴っている姿を見てすごくいいなと思いましたし、子どもたちと一緒にわいわいボールを蹴られて楽しかったです。親御さんと一緒にボールを蹴る機会もあまりないと思うので、これを機にサッカーをやってくれる子が増えるといいなと思いました。サッカーを楽しく続けるためにも、成功体験は大事だと思います。チャレンジして、シュートを入れて盛り上がるとか、そういう楽しさをこのイベントで感じ取ってもらえたらいいですよね。

――ディズニーへの印象や、好きなプリンセスを教えてください。

岩渕 私が好きなプリンセスはラプンツェルです。ディズニーランドへは小さいときによく家族で行っていました。

――“First Touch”/“First Touch Premium”の対象は小学校1年生~3年生のサッカー初心者、未経験者とその保護者です。サッカーを始めた当時にこのようなフェスティバルがあったらどうでしたか?

岩渕 参加してみたかったですね。私は小さい頃から体を動かすのが好きでしたが、髪を伸ばしてバレエをやって、と親には女の子らしくするように育てられました。ただ、このフェスティバルのように親御さんも一緒になって参加して、子どもがボールを蹴る姿を見てもらえれば、親御さんにとってもお子さんがサッカーのようなスポーツを楽しむことを受け入れやすいと思います。

ただただサッカーが好きで、負けたくなかった

――サッカーを始めた頃は、どのような目標やモチベーションがあったのでしょうか?

岩渕 当時は国内リーグがプロではなかったし、小学校6年生のときになでしこジャパンのアテネオリンピック予選の朝鮮民主主義人民共和国戦を国立に初めて見に行ったときも、「すごいな」とは思ったけど「代表選手になりたい」とは思わなかったんです。ただ、そのあと日テレ・メニーナから日テレ・ベレーザ(現 日テレ・東京ヴェルディベレーザ)に昇格して、代表で活躍するすごい選手たちを見て「あんなふうになりたい」と思ったのが最初の目標でした。ただただサッカーが好きで、負けたくなかったから、そのために上手くなりたい一心でずっとボールを触っていましたね。

――女子選手が少ない中でプレーする上で困ったことはありましたか?

岩渕 小学生のときはチームメイトに恵まれていたので、合宿でも男の子と一緒に活動することに違和感を抱くことはなかったです。ただ、メニーナに入ってからは、学校から練習場まで1時間かかって、夜も遅い時間だったので、それは少し大変だった記憶があります。

――それでも目標があると、続けていくモチベーションになりますよね。

岩渕 そうですね。今はWEリーグができて、プロを目指せる環境になったのも大きいと思います。私自身は目標があるから頑張れましたし、自分の良い部分を周りの人から認めて伸ばしてもらったから今の自分があると思っています。壁にぶつかっても、楽しければ辛いことでも頑張れると思いますから。

楽しく頑張ることを大切に

――岩渕さんは16歳でなでしこジャパン(日本女子代表)に初選出され、日本女子サッカーに欠かせない選手として女子サッカーをリードしてきました。代表はどのような場所でしたか?

岩渕 特別な場所でした。若い頃から代表に入れてもらって、上手な選手たちと一緒にサッカーできるのがうれしかったし、海外に行っていろんな経験をして、強豪チームと真剣勝負できることが楽しくて。もちろん国を背負ってプレーするプレッシャーはありましたが、とても幸せな場所で、代表に入るためにサッカーを頑張っていたなと思います。

――バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)やアーセナル(イングランド)などの強豪クラブでもプレーしましたが、世界に出て戦うことは、どのような経験だったのでしょうか。

岩渕 アーセナルではプロサッカー選手としてこれ以上ない最高の環境でプレーできて、観客の多さや熱さなども肌で感じましたし、プレミアリーグのハイレベルな試合を間近で見ることができたのは幸せだったなと思います。生活面でも、必要に迫られて語学を勉強して言葉がしゃべれるようになるとか、そういう部分は海外で鍛えられました。

――子どもたちにとって、なでしこジャパンはどのような存在だと思いますか?

岩渕 代表はサッカーをやっている誰しもが目指すべき場所であってほしいし、小さい子たちにとっての夢であってほしいですね。ただ、自分が楽しくなかったら辛いだけなので、どの年代でも楽しく頑張ることは大切にしてほしいなと思います。

――今後の日本の女子サッカー全体への思いを聞かせてもらえますか?

岩渕 ボール一つでいろいろな人とつながれるのがサッカーの魅力だと思います。ただ、日本は娯楽が多いので、プロスポーツや女子サッカーが発展する難しさも感じます。例えば、ドイツは休日にスーパーマーケットが閉まっているし、だからこそ家族で散歩したり、サッカーを見に行く流れがあります。一方で、日本はカラオケやボーリングや遊園地もやっているし、買い物にも行けますよね。それに、今はボールが蹴れなくなっている公園もあるので……。まずは気軽にボール遊びができる場所がまた増えればと思いますし、女の子たちがボールを蹴っている風景がどこでも見られる環境になってほしいですよね。その子たちが目標を持って努力することで、なでしこジャパンも強くなると思いますから。

――最後に、まだサッカーをプレーしたことがない子どもたち、そしてこれからサッカーを始めようと思っている子どもたちに向けてメッセージをお願いします。

岩渕 まずはこのイベントに来るべきだと思います! ディズニープリンセスは女の子たちが憧れて必ず通る道だと思いますし、お父さんやお母さん、保護者の方と一緒に楽しくボールを蹴るってとても素敵なことだと思います。始めるきっかけは何でもいいと思いますし、本当に魅力的なイベントなので、ぜひ参加してみてほしいです。

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