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CSRリレーコラム2020第3回「サッカーにおける社会貢献活動の意義」~社会貢献委員会 里崎委員~

2020年11月09日

CSRリレーコラム2020第3回「サッカーにおける社会貢献活動の意義」~社会貢献委員会 里崎委員~

スポーツと社会貢献活動は、密接な関係にあるというのが一般的な皆さんの認識だと思いますが、それは何故でしょうか?
この問いを真正面からされると、回答に窮してしまう人も少なくないのではないでしょうか。一方で、回答できないからと言ってその認識が誤りだと言えないのも事実だと思います。よく言われる一つの回答としては、「スポーツという活動自体が準公共的な性質を有しているから」というものがあります。
分かりやすいのが、スポーツを実施する会場、“ハコ”です。もちろん、ランニングやサイクリング、マリンスポーツのように特別なハコを必要としないスポーツもありますが、特に正式な試合では、競技場や体育館といったハコが必要となります。そして日本では多くの場合、競技場や体育館などは地方公共団体等が所有しており、その建設には多額の税金が投入されています。このことはすなわち、地方公共団体等がスポーツというコンテンツを住民の心身の健全性を確保するために必要なもの(公共的なもの)と認めたために成り立つ関係であることを示しています。これがスポーツという活動が準公共的な性質を有すると言われる根本的な構造になっています。
このように、スポーツという活動自体が準公共的な性質を有する以上、それに携わる団体や構成員が社会的な活動をすることもある意味必然と言えるわけです。スポーツ団体にアカウンタビリティ(説明責任)やコンプライアンス(法令順守)が強く求められるのも、準公共的な性質に鑑みれば、当然のことと考えられます。

スポーツが社会貢献活動を実施する意義・根拠を上記のロジックに求めれば、冒頭の問いかけに関する回答としては十分なようにも見えます。しかし一方で、スポーツが社会貢献活動を実施する意義・根拠が「社会的要請のみ」で良いのか、という点についてはもう一歩踏み込んだ議論が必要だと感じています。
私は、スポーツ団体が実施する社会貢献活動は本来、能動的に実施することで真に意味のある活動になるものと考えています。なぜなら、この「能動性・主体性」というマインドこそ、スポーツコンテンツの価値の源泉であるスポーツマンシップに通じるものだからです。
スポーツマンシップという言葉も、ほとんどの人が聞いたことのある言葉であるにも関わらず、真正面から意味を聞かれると回答に窮してしまう代表的な単語の一つかと思います。一般社団法人日本スポーツマンシップ協会のHPによれば、スポーツマンシップとは「Good Gameを実現するための心構え」とされており、その構成要素として①Respect:相手、仲間、ルール、審判に対する尊重、②Braveness:責任をもって決断する勇気、③Resolution:勝利をめざし、自ら全力を尽くして楽しむ覚悟(これが「能動性・主体性」に該当)、が挙げられています。

この3要素は実は、人々が豊かな人生を送るため、言い換えれば人々のQOL(Quality Of Life)の最大化に不可欠な要素と言えます。スポーツはその活動を通じてQOL最大化に不可欠な要素を自然と体得できる活動であるため、試合や競技に限らず、多くの人々がその活動に触れる機会を「能動的」に広げていくことは非常に重要な意味を持っています。
そのように考えていくと、数あるスポーツの中でも、特にサッカーが社会貢献活動をする意義は大きいと考えられます。理由は以下の3つです。
①関係者数が世界・国内最大規模
W杯の予選に参加した国・地域は200ヵ国以上というワールドワイドな競技であり、競技者だけでなく、スポンサーや視聴者等も含めると、国内はもちろん、世界中の人々に影響を与えることが可能。
②各種ライセンス制度が整備
競技者やクラブのライセンスに加え、指導者ライセンスを有していることから、社会貢献活動の意義や競技団体としての考え方をより正確に関係者に伝えることが可能。
③準公共的な全国組織体制
スポーツ競技団体という準公共的な組織でありながら、能動的・主体的に活動可能な全国組織体制が整備されており、自治体や教育機関とのハブ機能を発揮することが可能。

以上から、JFAが実施する社会貢献活動は、サッカーに関わる全ての関係者のQOLを高めていくための重要な活動であり、JFA自身の存在価値・意義を確固たるものとし、持続可能な発展を実現するために必要不可欠な取り組みであると、私は考えています。
皆さんも、是非JFAの社会貢献活動に参加してみてはいかがでしょうか。

社会貢献委員会:里崎 慎

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